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2016年5月 9日 (月)

鱗並み(こけなみ)異論~『金魚大鑑』~

宇野系愛好家に聞くと総じて・・・・

「鱗は細かく、鱗並み(こけなみ)が良くなければならない。」

という声が返ってくると思います。

鱗が細かく、鱗が綺麗に並んでいることを良しとする、ということですね。

美しいということを念頭に置けば、宇野系らんちゅうはそれが絶対条件みたいな。

実は、これも考えれば考えるほど真実かどうか分からなくなることなんです。

●魚体が相対的に小さいので鱗が細かく見える。肥大飼育をしていないので鱗の発育がバラけないとも考えられます。

これは遺伝的特性なのかは正直なところ不明なんです。

さてさて、宇野氏はどのような言葉を残しているかというと、宇野系と言えば上品ならんちゅうであることをモットーにしていることも事実ですが、真逆のことも仰っているんです。

(4)うろこと色彩
うろこがあまり細かく美しく並んだものは、きゃしゃすぎてよくない。膚がきれいなのに越したことはないが、ランチュウはどちらかといえば、うろこの並び方が少し不自然なのが本当のように思われる。うろこが金、銀に光って、見た眼に荒くうつるものがよい。
色彩は素赤よりも更紗の方がよい。
更紗では腹模様がよく、面かぶりも美しい。ひれに赤が残るものは遺伝的に更紗性が高い。

 昭和47年発行 緑書房 『金魚大鑑』  第9章鑑賞の仕方 宇野仁松執筆担当

この部分を読むと改良の本質を突いていることが理解できます。

つまり、ここから何を読み取るかというと、

◆自然界の魚は鱗並みが総じて綺麗で整然としているという真理

◆対して改良魚(らんちゅう)は遺伝因子の乱れ(突然変異)を利用しているので鱗並みが不自然であることが多い

良く観察してみてください。自然界のフナも海に生息する魚たちも鱗が乱れた魚を見たことがありますか?それだけ遺伝因子が強固なんだと思うのです。

我々愛好家は、フナの持つ不安定な遺伝因子を利用して、自然界に存在しない改良魚を作っているんですね。
だから宇野先生が本書で述べられている「うろこの並び方が不自然なのが本当」とか、「うろこが金、銀に光って、見た眼に荒くうつるものが良い」という見解になるのだと思うのです。

そう考えてみると、宇野先生は「らんちゅうとは何か」とより深く考察されていたことが分かると思うのです。

全く正反対なことが、この短い文章の中に両立している意味はそういうことなのだと理解すれば(相対化)より深く宇野仁松という人物を知ることになるのではないでしょうか。

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【3】魚の見方・考え方」カテゴリの記事

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