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2014年4月17日 (木)

阿蘭陀獅子頭私論

“阿蘭陀獅子頭私論”、文字化けか?と思われるほど見慣れぬ漢字が並んじゃいました。(^^;)

オランダシシガシラという品種名は、ご存じのようにオランダ原産の金魚ではありませんよね。

江戸時代、中国原産の金魚で、オランダ船で出島に運ばれてきた、大層珍しい頭部が神楽の獅子頭状の観賞魚をそう呼んだわけですね。“阿蘭陀”という言葉には「海外から入ってきた珍品」という意味が込められていて、決してオランダから輸入されたものではないわけですね。

そんなオランダシシガシラの私の中での定義を少し書いてみようかと思います。

まず最初に、この品種の特徴を明確に定義しておくことが必要です。(どの品種でもそうなんですが。)そうでなければ個人の好みだけで、愛好家の数だけ亜種としての雑種が形成されるものと思います。

【オランダシシガシラの特徴(私家版)】

1:獅子頭らんちゅうと同様に、頭部が獅子頭状に肉瘤が膨隆するものを優品とする。

2:獅子頭らんちゅうと同様に、背が低く平たみがあり背幅があるものを優品とする。

3:尾は房尾で適度な張りがあり、泳ぐときは、すぼみながらも停止したときに花が咲くように華麗に開くを良とする。(らんちゅうのように硬い尾張りや前掛かりは、やりすぎでしなやかさが半減するのではないでしょうか。)

4:胴の長さは中長手が良。大きな尾とのバランスと大きな獅子頭の頭部をイメージすればそれが一番納まりが良いのでは。

その四点です。

なんのことはない、尾以外はらんちゅうと一緒というわけです。

【獅子頭らしい獅子頭が居なくなった理由】

端的に言うと、肉瘤を意識して残そうとしてこなかったから。“肉瘤の形状は遺伝である。”という科学的事実を明確な知識として持ち合わせていなかったから、が主な理由かと思います。らんちゅうと同じことが起こっているのだと思うのです。

時たま、兜巾頭のオランダを見ることはありますが、愛好家はあまり興味を示さないのはいかがなものでしょう。むしろ獅子頭らしい獅子頭を維持するためには種として重要なのではないかと思います。

【頭部が一番重要】

品種名からして頭部が全てに優先するのは火を見るより明らかでしょう。

ならば、私が主張しているらんちゅうのセオリーが、そのままオランダシシガシラにも適用されるべきと考えます。このブログで主張していることをそのまま実践する愛好家が、“オランダシシガシラらしいオダンダシシガシラ”を作り出すことができるのではと思います。

【胴の質】

得てして背ビレのある品種は、背幅がなく峰が出来ている個体が多いです。それを解消するにはできるだけ頭幅がある、すなわち目幅がある個体を使って仔引きをして、獅子頭を維持していけば、自然と幅のある個体が出来上がると考えます。

【保存・維持の観点で】

Img_r 『金魚』松井佳一著 昭和38年

上掲の画像は、松井博士の保育社カラーブックスの『金魚』からです。明治30年(1897年)の神戸で開催された第二回水産博覧会においてのスケッチです。100数年前のオランダシシガシラの図です。

これを見て気が付きませんか?現在飼育されているオランダとさほど違いがないことを。進化とか改良とか無縁の世界にオランダが浮遊しているように見えないでしょうか。

そうなんです。遺伝因子の保存・維持の観点で、オランダシシガシラの特徴を見極め、そして残す姿勢が大切なんだと思うんです。もうすでに明治時代にオランダの優れた資質を持った個体が存在したのだから。

古いタイプだから(必要ない)とか、今が最も改良が進んで元には戻らないからと現状を肯定していたらオランダシシガシラは居なくなってしまうのではないかと思うのです。

オランダシシガシラ愛育家は是非今一度、以上のことを考えながら飼育に励んでいただきたいと切に願うのです。

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