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2013年12月17日 (火)

論外的オランダ獅子頭考

一時、私もオランダ獅子頭を繁殖していたことがあります。

もうらんちゅうで手いっぱいになったので、ある時仔引きをやめて今に至ります。

オランダと言っても短手ではなく、当時長手と呼ばれていたタイプの弥冨で改良される前の従来のオランダを飼育していたんです。

当時(98年)ネットで単品種の情報サイトの先駆けとして『オランダ通信』を開始したんです。結構話題になりました。『金魚伝承』でも明らかに影響を受けてましたね。(^^;)

で、仔引きすると、まあ同じような形の魚ばっかりで選別の基準からすると、全て残さざるを得なかったですね。その当時の基準は尾でハネてました。すると尾まくれ以外全部残っちゃう。

さらに、驚いたことにオランダは差しまで残すんです。尾でハネてたら全て残すことになるんです。

何故差しを残すのか?

尾が大きくて垂れてしまうので差しで釣って尾形を残すという考えだったように記憶しています。かくして何も選別基準が分からずただ飼育するだけでした。

さて、そんな話しは別にして、オランダ獅子頭の品種的特徴から、今後残していくべき形質を“論外的に”考察してみます。

筋道立てて考えてみましょう。

【オランダ獅子頭の品種的特徴とは】

1:頭部は、獅子頭でなければならない。

2:胴は、頭部と連動して幅がなければならない。長手は特に背幅がなければならない。

3:尾は、房尾で尾形を残しつつも、静止したらパッと花が開いたような華やかさがなければならない。

この三点に集約されるのではないでしょうか。

ならば、この三点は現状のオランダ獅子頭には表現されているでしょうか?

「オランダ獅子頭」という品種名である限りにおいて、獅子頭を表現していない個体は「オランダ獅子頭」を標榜することは果たして良いのか、ということにならないでしょうか。

らんちゅうに「獅子頭らんちゅう」という別名があるように、論外的には頭部が獅子頭状に表現されていなければ「らんちゅう」とは言えないというのと同様であると考えたいですね。

そう考えてくると、残念ながら今のオランダ獅子頭群は、どれだけ端整な獅子頭を表現している個体がいるか疑問が湧いてきます。愛好家の皆さんには申し訳ないのですが、おそらく大部分のオランダは“オランダ獅子頭”とは呼べなくなっているのではないかと思われます。

なぜか?

「肉瘤は遺伝である」という事実を意識してこなかった、または気が付かなかったため獅子頭の遺伝因子が無くなってしまったのだと推測されるわけです。私の出会った愛好家の方達からは、肉瘤に関しての考え方は聞こえてきませんでしたし。(らんちゅうと全く同じ構図ですね。)

らんちゅうでも獅子頭が基本であると言っているにも関わらず、獅子頭が居ない現状を重く見ないといけないのに、それを言う愛好家が居なくなってしまったことは、らんちゅうもオランダ獅子頭を他山の石とすべきでしょう。

頭部の肉瘤が遺伝であり、注意深く仔に継承されているかを検証してこなかったら、頭部と関連している胴の幅も無くなり、品種名の意味が分からなくなってしまうと思うのです。

何度も言うようですが、オランダ獅子頭にも、らんちゅうと同じ現象が起きていると考えられます。品種的特徴を今一度再考して、改良方向を見定めないと、ただ流行に流されたり、好みだけで品種を弄べば、次世代に受け継ぐものは何もなくなってしまうのではないでしょうか。

オランダにもらんちゅうと同様、素晴らしいトキン頭もまだまだ散見されるはずです。そんなトキン頭を残しつつ、足りない部分を足しながら、獅子頭を再構築する必要があるのだと思うのです。

どなたか、品種名である「オランダ獅子頭」の名に恥じない、獅子頭のオランダを見せていただきたいと思います。尾がまくれてても出鱈目でもいいです。まず頭を何とかしてください。

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【7】金魚全般」カテゴリの記事

コメント

ふんぺいさん、お久しぶりです。
 小学生の頃、危険だと親に怒られながら川で遊び、めだかすくい、金魚すくいの金魚から琉金、金鯉。親父がそんなに金魚が好きならと知人から貰ってきてくれた和蘭獅子頭。その時、親父が買ってくれた「金魚愛玩60年」、自分で買った「ランチュウと金魚」、松井博士の「金魚」を枕元に置き、勉学はそこそこに、毎晩読んでながめて寝入りました。おおよそ50年近く前の話です。高校生になった頃の教科書は「我輩はらんちゅう」大郷氏でした。大人になってからのお手本は、宇野先生が遺された会誌、今昔、寺崎氏の対談等です。
 昨夜の晩ご飯が思い出せない今日この頃なのに、あの頃の写真は心の中でセピア色に変わっていますが覚えているものです。ふんぺいさんも最近掲載された「金魚」に載っていた魚溜りの群雄するらんちゅうなんか見て、こんならんちゅうを大人になったら飼うぞと思ったものです。同じく「金魚」に小豆更紗の和蘭獅子頭、白黒だったと記憶にあるのですが日の丸らんちゅうなんか「綺麗だなぁ、欲しいなぁ。」と思ったものです。(当時の本が手元にまったくないので、機会があれば載せていただければ嬉しいです。)

 にしきの欲ばりな夢の一つですが、ふんたんが突き出して一文字で、六鱗で、綺麗な小豆更紗の金魚なんか出来たらいいのになぁなんてず~っと昔から思っています。
 「先祖返りのキズ」を種親に避け、オルフェーブルのような破天荒な、記録にも記憶にも残るような魚をつかみたいものですね。 現実の我が家の種魚の状況では、ちょっと厳しい話です。
 まぁ、いつものことですが亀の如く、焦らず、慌てず、諦めずぼちぼち来年も楽しませてもらいましょうかねぇ。
 

投稿: にしき | 2013年12月18日 (水) 12時58分

こんにちわ。
2011/12月におかめ、蛙目の事でお世話になりました。
青文はオランダであるとお考えですか?
特徴のある青文とオランダを掛け合わせてオランダを飼育しております。
映像を送りたいと思います。
コンピュータのメールは送った事がありません。
苦手です。
もし興味がありましたら連絡下さい。

投稿: ざり | 2013年12月19日 (木) 23時18分

にしきさん、こんにちは。
ご無沙汰しております。お元気そうで何よりです。(^^)/

『金魚』は手元にありますんで、順次紹介してきますね。

投稿: ふんぺい | 2013年12月20日 (金) 09時17分

ざりさん、こんにちは。
青文は、オランダの亜種でしょう。形態は一緒なんで色だけが違うのではないでしょうか。
その組み合わせだとどんな割合で色が分離するんでしょう??興味あります。

画像なら送れませんか?

投稿: ふんぺい | 2013年12月20日 (金) 09時19分

おはようございます。
どこへ送れば良いのでしょうか?
映像が送れそうです。
トラックバックURLへ送れば良いですか?

投稿: ざり | 2013年12月20日 (金) 11時25分

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