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2013年10月

2013年10月27日 (日)

“蒸れる”の意味(風通し・水が腐る・対流)を考察する 第三回

昨日の続き

【屋上飼育は理想的?】

屋上飼育の場合は、絶えず気化熱が発生し波が発生している。

風が遮られない環境としては屋上飼育は理想的と言えます。確かに名だたる愛好家の環境は、屋上に水槽を置いているケースが多いのに気づかされます。

 

【風が当たりやすい環境】

室外飼育でも風通しが悪かったら?

今一度、風通しの効用に着目して自分の環境を再考すると金魚飼育の悩みは解決するかもしれませんね。

扇風機を使用すれば改善されるのでは?
良くハウス飼育で扇風機を使用されているのは、経験的にそうされたのだと思うのですが、科学的には図らずも正解だということになります。

 

【太陽光】

また違う角度から考えると、太陽光も水槽内の対流に影響を及ぼしていると思われます。また紫外線は雑菌の繁殖を抑制しているとも考えられます。ここでは注目点が違うのでこれ以上触れません。

夏場に池の上に直接ヨシズを掛けて陽を遮る場合、上記の論理で行くと、風の通りを悪くしている → “蒸れる”!! ということになります。

水の調子が悪くなりやすい原因を作っていることになるので → 水面から離して寒冷紗を張るのがベター ということになるのではないでしょうか。

 

【室外飼育の利点】

少しまとめてみましょう。

水に適度な対流が起こりやすい → 水の調子が良い → 魚の調子が良い→魚が出来る!! だから 室外飼育は簡単によりよい環境が得られるという結論に達し、漠然と昔から「室外飼育がらんちゅうには良い。」という意味は、色々な科学的要因で健康に飼育しやすいからと結論できるわけです。

 

以上のことを踏まえて、室内や風通しの悪いところで飼育する場合はどうすればよいかを、応用としてそれぞれ工夫すれば克服できるのではないでしょうか。

 

【冬場の管理では?】

上記の仕組みを理解した上で、それでは冬場の管理に考え方を応用してみましょう。

冬場は、多くの愛好家がエアレーションを止める場合が多いですね。

そこでこんな疑問が湧いてきます。

エアレーション止める→ 滞留水を作っているのでは? 水が腐る?? 止水環境は駄目では?

となりますね。しかしシーズン中と違って、

水温が低いので魚の新陳代謝が無い → 水が汚れない →細菌も不活化

しかし!→ 春先魚が調子悪い場合が多いのは、冬場の水が悪いから(冬場の滞留水)とも考えられるわけです。

 

但し、冬場も対流が起こらないわけではない。水面は絶えず風が通り水底と水面とは水温差が発生しているはず。(蓋をしていればまた別ですけど)

 

私は冬場もエアレーションを止めません。それは今回考察してきたことで、あながち間違いではないと結論づけがされたように思います。

 

【対流しないと水底にヘドロが溜まりやすい】

余談ですが、良く観察していると、青水も新陳代謝をしていることに気づかされます。対流が無いと全てが分解されずに死滅した植物プランクトンの死骸は底に積ります。

→ ヘドロには嫌気性菌が発生 → 無酸素の状態が作り出される

という仕組みもあるわけです。

冬に水底に横たわっている魚は最悪の環境でじっと耐えているのかもしれない。

だからこそ春先に調子悪い魚が続出するのかも。

 

床直しとは、水を生きた水にする行為と捉えて、定期的に底水は抜く作業が魚にとって良いのでは?と考えられるんですよね。あなたはどうされますか?

 

ここでは単純化して多くの要素を捨象しています。モデル化して考えたほうが分かりやすいからです。いずれまたその他のことは機会を見て言及したいと思っています。
(おわり)

参考資料
http://www.e-higashi.co.jp/blog/log/eid16.html
http://okwave.jp/qa/q3654456.html

http://dobungawa.blog92.fc2.com/?mode=m&no=5

http://www.koibest.com/mizutukuri.htm

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2013年10月26日 (土)

“蒸れる”の意味(風通し・水が腐る・対流)を考察する 第二回

昨日の続き

【滞留水は腐る】

前回のように、滞留水は腐る=「水が腐る」という現象 → どんな現象か?

“水が腐る=水中に細菌が繁殖し、細菌が産生する物質や細菌自体の死骸で、水中にたんぱく質が増えた状態”で、ある細菌(常在菌)が異常繁殖して水中内のバランスが崩れて魚が健康に生育できない環境。

金魚飼育とは、絶えず水が腐る条件と直面しながら、植物プランクトン等をコントロールして水の状態をキープすることが一番の仕事です。

 

“川や海では、常に対流が起こっていて細菌の死骸や産生物質が、植物を含むほかの生物の栄養となって、循環することになるために、それが浄化作用となって「腐ら」ない。”
そういうことなんですね。止水環境といえども対流が重要なのが以上でわかると思います。

 

室内ガラス水槽においては、絶えず水流を作るろ過器を通すことや、エアレーションで対流が発生していると考えれば、魚が調子が悪くならない理由が納得いくのではないでしょうか。

 

ところで、エアレーションの効用は二つ

 対流を強制的に起こす

②酸素を供給する

※このエントリーでは酸素の効用に関しては触れていませんが密接な関係があります。

 

室外水槽も池も閉鎖された一つの生態系と考え、循環に着目すれば、その環境を維持することの意味が明確になるでしょう。。

 

梅雨時に病気が多いのは、湿度が高い→蒸発しない(気化熱×)→対流×→細菌異常繁殖→病気

という仕組みが成り立つと考えられます。

 

高水温で高湿度状態で無風の夜中が最も悪環境なわけです。滞留水状態で酸素欠乏で死と隣り合わせであると想像できるのが分かりますよね。

 

【ハウス飼育の欠点】

密閉空間だと無風状態で水面に風が当たらない。梅雨時と一緒。湿度が高い=気化熱が発生しない(飽和状態)

水面付近の水温と水底の水温が変化がないので対流が起こらない

→よって滞留水になって腐敗しやすい

→欠点解消 扇風機の設置で水面上に気化熱を発生させて冷やして対流を作る

 

【室内ガラス水槽で蒸れないもう一つの理由】

絶えずエアレーションやろ過によって水流を発生させているから。上記のことからそのように結論付けられると思います。

同時にろ過の好気性菌の活動によって、雑菌の繁殖が妨げられ酸素供給が施される、とも考えられます。好気性菌や嫌気性菌に関しても関連性を論及したいのですが、複雑になり過ぎるので今回は捨象します。

 

よって以上の理由で、室外で飼育する場合でも、“風通しが良ければ病気になりにくい。”と言っても良いと思います。

 

明日に続く

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2013年10月25日 (金)

“蒸れる”の意味(風通し・水が腐る・対流)を考察する 第一回

金魚飼育において、塩水浴の効用の科学的根拠を、ネットで一番最初に考察して解説したのは当サイトだったのではないでしょうか。

昔から金魚が病気になったら「塩を入れろ。」と言われていたんですが、はて?何故入れるのか?何故0.5%の濃度にするのか?誰も納得のいく説明をしてくれなかったんですね。

塩が効く仕組みも知らなかったら応用なんてできませんよね。ただただ先輩の言ったことを鵜呑みにしてるだけではダメなんです。それでは発展も進歩もないわけです。旧態依然とした態度では何もはじまらないんです。

仕組みを知っていれば簡単に対処できることでも、知らないと遠回りしてゴールに中々到達しないんです。科学的態度で色々なことを見ていくことが大切かと。

さて、今回は“蒸れる”について考察します。

キーワードは、風通し・対流・滞留・腐る です。

【疑問】

「蒸れると魚によくない」などと言われます。風通しが悪く水面に風が当たらないと病気になりやすいと昔から言われます。実際に湿度が高い梅雨時に病気が多発するので、雑菌が繁殖して金魚の調子が崩れると考えるのは妥当でしょう。

 

なぜ“蒸れる”というのか?

 

また、蒸れさせないために風通しをよくしないと駄目とも言われるが果たして本当か。

蒸れと風通しの関係。これが魚の成長や健康とどれだけ関係あるというのでしょうか?

 

同時に湿度との相関関係は?

 

ひとえに病気にしないで健康に飼うことが必須条件のはず。その環境要因を科学的に思考するとどうなのかをここでは考えていきたいと思うのです。

 

【水中は蒸れ100%!?】

金魚飼育においての“蒸れ”とはどういうことか?水中なのに何故“蒸れ”が関係するのか?←水中は蒸れ100%!?水面上の湿度が高いことと金魚の調子と何か相関関係があるというのでしょうか?

 

はたまた屋内水槽の場合、ガラス蓋をしていることが多いです。または、上部ろ過槽があっても水面は密封状態では? いたって風通しは悪いはず。いわば常時蒸れている状態とも言えます。湿度が超高い状態ということになります。

 

→“蒸れ”が魚に悪いとすれば、室内水槽は最悪の環境と言えます。しかし、それほど頻繁に病気になるとは聞いたことがありません。ということは、風通しや湿度と関係ない??と言えないでしょうか。つまり他に原因があるということです。

 

【“蒸れる”=高湿度】

“蒸れる”をこう考えたらどうでしょう? 芋づる式に考えてみましょう。

 

①“蒸れる”=蒸発しない=湿度が高い

 

②「蒸発しない」とは?無風状態で、さらに違った角度から考えると・・・・

 

→『気化熱』が発生しない。

 

③気化熱が発生するとどうなるか? → 水面の水温が下がる

 

④水面付近の水温下がると・・・水底と温度差が発生する

 

⑤対流が起こる!! 対流が起こると滞留水(※あとで説明)ではなくなる → 循環する

 

同時に風が当たることによって波が発生する(さざ波) → 対流を発生させる一要因に!

 

風の力は偉大です。湖面のさざ波によっても対流は発生しているのです。

 

⑥対流を起こすために、水面に風を当てたり(扇風機の利用」、エアレーションをするのはそのためと考えられないでしょうか。

 

⑦循環すると 水は腐らない!?らしい。(※あとで説明)

 

⑧水が腐らないと魚は調子を落としにくい。(水が腐る=水が悪くなる)

 

風通し=水面に風を当てる という行為は水面に変化をもたらすことで、考えられる現象は“気化熱の発生の促進”と“対流を発生させる”ぐらいしか思いつかないんですね。

明日に続く

 

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2013年10月22日 (火)

日本愛らん会見学@弁天町

朝から雨。

各地の品評会は苦労されたことと思います。当地弁天町の会場は、天井がガラス屋根で全天候型。天候に左右されない大変良い会場です。

21_edited1二歳優等一席

珍しく素赤タイプが優等1席に。この会の懐の深さを感じますなあ。

因みに二歳優等二席は・・・

22二歳優等二席

なるほど、なるほど。

T4当歳優等四席

綺麗な面被りですよね。特別に裏っかえしを見せてもらうと。

Dsc_3930

これは真正の面被りでした。船底ですよ。恐れ入りました。

一日遊ばせていただきました。感謝いたします。

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2013年10月15日 (火)

池リセット法~私の方法~

もう品評会が済むとあとは冬眠の準備。

夏の最盛期を過ぎて、池はお疲れ気味ですよね。苔などの植物プランクトンも入れ替わる時期です。そのまま放置しておくと、水が出来なくて水替え時期が遅れ、細菌が異常繁殖して魚が調子を崩すことが多いです。

私は、この時期、池の苔をリセットするようにしています。一回苔を綺麗に取ると、青水が出来て、魚の調子も崩しにくいように感じるんですよね。

私の方法をご紹介します。但し参考にされる場合は、自己責任にてお願いしますよ。(^^;)
しつこい苔はこの方法で楽々取れます。

【漂白剤吹き付け法】

今日びドラッグストアーなんて行くと、常時漂白剤(何とかブリーチ)が100円前後で売っています。私は10本ぐらい買い置きします。
Dsc_3869
それと、100円ショップで霧吹き器も買い置きします。漂白剤を霧吹き器に移します。何故霧吹き器を複数買うかというと、漂白剤を霧吹き器に入れることは想定された使用方法ではないので、塩素で部品が劣化しやすくなり使用不能になりやすいから。(※くれぐれも自己責任にて!)

で、水を抜いた池の底と壁面にくまなく噴射します。

1施工前(黒い斑点状は、ペンキが剥がれている。)
A施行後(こんなエメラルドグリーンだったのね。)

2before
2aafter

漂白剤を吹き付けてしばらくすると白くなります。それをタワシで擦ると軽く取れてしまいます。

その後、十分に水洗いして、水を溜めます。残留塩素は同時にカルキ抜きを投入しておけばすぐに化学分解されて、即使用可能です。その中に魚を入れても大丈夫です。十分漂白剤を洗い流してくださいよ!

私の場合、この方法で今まで事故はありません。但し、使用する漂白剤ですが、キッチン用は界面活性剤が入っています。これはエラにダメージがあると思うので注意が必要かと思います。

池に余裕があれば、水を溜めて漂白剤を一本分投入して一晩置けば、綺麗に苔は取れます。

しつこい苔をいくらゴシゴシタワシで擦っても取れないのがウソのようです。

ご参考までに!

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2013年10月13日 (日)

京都金鱗会見学@藤森神社

毎年なら天王寺公園の日本らんちゅう愛好会に行くのですが、今年は京都金鱗会へ。

20131013_114855

なかなかのド迫力の頭ですな! 親魚の上位に入賞した個体。

別角度は・・・

20131013_114903

こんな感じ。会長賞でした。ここまで派手は頭は近年品評会では見ないですね!それをちゃんと評価された審査員に拍手です!

古いタイプでも何でもないです。作ろうにも作れないのがこんな魚。どの魚より個性的でした。良いものを見せてもらいました。

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2013年10月10日 (木)

“船底”の考察から思うこと(仮説)~実例を交えて~

宇野系らんちゅうの代名詞の一つに、“船底(ふなぞこ)”があります。

“船底”とは、船の喫水線より下を赤く塗り分けているのに例えて、金魚の背側が白く腹が赤いものをそのように言うのです。

魚類の場合、腹側はどちらかというと白くなります。大抵背側は青く(濃色)、下側に行くに従って白くなる(淡色)のが普通です。サバイバルのためなんでしょうね。上から見ると水面と色が同化して敵に見つかりにくい。逆に下から狙われても白い空の光と同化するというように。

金魚(らんちゅう)の場合、同様に腹側は白くなるのが摂理のようです。ところが、腹側が赤い個体がいるんです。普通とは逆転しているわけです。まるで船体が白で底が赤く塗られたような。このような逆転現象は珍しいので昔から好まれたわけです。

何故この船底が宇野系の特徴と言われるのか?

宇野系は“猩々(しょうじょう)”を重要視するから。

猩々と素赤の違い。これは猩々は鰭の先まで赤い個体を言いますが、素赤は鰭の先を“洗って”いるんですね。洗うとは、白くなって赤色が抜けていることを意味します。

ですので、色の抜け具合で、

猩々→素赤→多赤更紗→腰白→面被り→多白更紗→丹頂→白
※面被りの位置は議論があるとは思いますが。

金魚は、代を重ねるにつれて、猩々から白への一方向に変遷していく傾向があるようです。宇野先生も面被りの固定ついて仰っていますが、早い時期に断念されています。猩々から白に向かう過程の柄だから、単純に固定という考え方では捉えられないことに気が付かれたのだと思うのです。

金魚の色はランダムに決定されています。発色の原理はこうです。
赤(あるいは黄)の色素を細胞内で生成するか、あるいはしないか。細胞内には両親から受け継いだ一対の遺伝子があるわけですが、その遺伝子には赤色素の生成をオンにするかオフにするか書かれているんです、または最初から欠如している。オンならば赤色に発色。オン・オフがどのような条件なのか、もしくは遺伝因子の欠如条件はどんなものかは解明されていません。従って、色柄の法則はあくまで経験則の域を脱していないので、愛好家のそれぞれの感覚でしかないとしか現時点ではいえません。

すなわち色柄の法則は、柄の出現現象が同様な表現型になっている思われる、犬やホルスタイン牛や猫を類似現象として参考に推測する程度しか方法はないのです。

話しを戻して、面かぶりや腰白が色が抜けていく過程の柄と捉えれば、色が抜け過ぎた場合、猩々との戻し交配をして、色が行き過ぎないようにすべきと考えるのが、妥当ではないかと思います。もっとも、ここまで検証している愛好家は皆無でしょうから、所詮机上の空論でしかないかもしれませんが。

私が更紗柄を考えるとき、要注意なのは鰭先を洗い出したら(白くなりだしたら)進み過ぎていると考えます。よってそのような兆候が出たら猩々を掛け合わせるべきなのでは?と考えています。

ここで脱色の方向性について、観察からまとめられることは、

1:色は、魚体の下から上に順に向かって抜けていく傾向がある。

2:色は、頭部に向かって順に抜けていく傾向が見受けられる。(目と背出しの間に収斂)

3:その際、猩々を親に使用していた場合は、鰭にベタ赤が残ることが多い。

A
何故こんな尾の個体を残しているって?数合わせの為に残しているんです。
A2
上掲の個体などは、宇野系では良く見られる柄です。いわゆる腰白。この柄は横見では腹から全て白くなっています。ほとんど白化していると言っても良いかもしれません。腰白や面被りは大抵の場合、腹は真っ白です。

A3
ご覧のように、裏は真っ白です。腰白や面被りは腹の色が抜けて次第に上部の背に向けて色が抜けていく過程であると、推定できるのではないでしょうか。従って、宇野先生の時代から“面被りは固定できない”と言われてきたのは、赤色が収縮していく一過程と捉えれば納得がいきます。さらにこの個体を親に使用すれば白勝ち更紗や白の出現数が格段に増えると想像できます。

B1
この個体は、前にも掲載したことがあります。白個体ですが、目が片方が青で、片方が赤になっています。珍しいので検証の意味で残しています。ここまで白化した場合、珍しい現象が見て取れます。
B2
上から見たらほぼ白なのですが、鰭に赤が残っているのと、胸鰭の近くに黄色い色が入っているのが確認できます。この個体などは白化個体でも、船底に近いものだと推定できます。また目と鰭と腹底の黄色は、上見で右側に集中しているのも面白い現象です。

C1
上掲の個体は腹まで色が回っていることに注目です。このような個体は種に使用できると思います。
C2
裏返すとこんな感じ。猩々の一部分色抜けと考えたらどうでしょうか。
D1
腰白ですが、目先が白くなっています。色的には目先だけが唯一の欠点です。しかし裏返すと鰭全部に色が乗って、なおかつ腹に色が残っています。まだまだ種として猩々方向に仔は動く可能性はあると考えられます。

私は船底は、まだ猩々の遺伝因子が内在していると考えています。(次世代で復元可能)

D2

このように種魚としての色柄を考察してきましたが、猩々ならオールマイティー、赤勝ち更紗で船底ならフルハウス、船底のみならワンペア、それ以外は捨て札と考えたら色の維持は楽になると考えます。面かぶりは、どちらかというと成り行き札。一枚では化けないでしょうね。

ま、期待した腹が白ばっかりで、ちょっとしか残らないというほど、仔引きしていて情けないものはないですから。白色でも尾が良いから残すじゃ、宇野系の特徴的なベタ赤の魚なんかいなくなりますよ。

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2013年10月 8日 (火)

琵琶湖金鱗会品評大会

やっと終わりました!

良い天気だったんですが、例年になく暑かったです。(^^;)

Dsc_3830二歳優等一席

遠いところからお出での方お疲れ様でした。

家に帰ったらもう疲れて横になってました。私ももう若くはないです。

この頃痛感するんですが、若い人が入ってこないです。一度各愛好会にアンケートを取って集計して動向を見てみようかと思うんです。きっと高齢化しているんじゃないかと。

ま、あとはゆっくりと他の会を見学したいです。

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背巾と腹巾の違い

もう6歳の親魚に登場してもらいます。すでにサビが出ていますがそれを承知の上でこの個体を見ていただきましょう。

前方斜め上から見たアングル。

Dsc_3866_3尾が悪いなんて言っちゃダメですよ~そんなことは百も承知

このアングルだと、頭の質はもとより、胴の質が分かりやすいんです。

いわゆる二段背(二階建て)だと明らかに馬の背のような背骨を包む筋(峰という)ができます。そしてその下側の両サイドに頭から尾にかけて窪みの線ができます。

この個体はそんな個体と違って、ほとんど背巾しか見えません。そして腹巾がありません。腹巾は側線ぐらいから下にかけて、左右に膨らむ感じになります。そうすることによって、上から見ると太みを演出します。本当の太さではないので痩せさせると馬脚を露します。

一般に腹巾を太さと勘違いする愛好家が大多数です。なぜそのように勘違いをするのか?本当のことを教える指導者が居ないから。何故本当のことを教える指導者が居ないのか?基本競争なので先輩から教えて貰っていないのです。たとえ知っていても自分の優位性を保つため言わないんです。だから本当のことを知っている愛好家が減って、結局らんちゅうの質がどんどん悪くなる・・・・。(^^;) 悪循環です。

この個体は、腹が出ていないのが一目瞭然です。腹が出ていると、このアングルだと下腹が左右に大きく張り出し目立つのが分かるはずです。

このカメラアングルで、腹にボリュームがあったとしたら、その個体は決して太いとは言えません。むしろ作り過ぎです。本来の魚の太さとは言えないのです。

このような魚を種に使用して、その仔を会用に仕立てれば、巾の無い細い魚をエサで太らせた個体と違い、飛び抜けたものになると思います。綺麗な更紗も出ますし。これが宇野系の真骨頂のはずなんですが・・・・。

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2013年10月 3日 (木)

宇田川式らんちゅう2

上州さんと、あるベテラン愛好家のご厚意で、フィッシュマガジンに掲載された宇田川氏に関するルポを入手しましたのでご紹介します。(1990年代で掲載年号は未詳)

『らんちうの飼育環境と名魚作出の秘訣2』と銘打って、神鋳会の野木一男氏が各愛好家の池を訪問して、氏の生業でもあった水質調査をランチュウ飼育に応用した独自の視点でのルポの連載があったんです。その一回に宇田川氏のお弟子さんの池を訪問されたのが掲載され、その文の中に宇田川氏のらんちゅう飼育の方法論が紹介されているんです。

【選別について】

産卵は5月に入ってからとのことで、産卵後の本格的な選別は7月中旬から8月初めの色変わりが終了してからだそうです。このため一つの池で当才魚が2歳魚になる尾数は500尾前後になるそうです。 

私が訪問しました4月中旬での明2才魚は体はえんぴつサイズで、体長は約4cm前後でした。

やはりそうなんです。ここにも宇田川氏の選別方法が記載されています。本格的選別は色変わり以降。そして明二歳春で一池500尾。池の大きさは150cm角と思います。明らかにこの時点で4cmなら、当歳時では品評会には間に合ってなかったわけです。

何故それだけの数残すのか?

尾と遺伝しないキズで種魚になる魚を捨てないため。すなわち、会魚ではない極上の種魚を探し出すために。頭と胴の質を見極めるためには、当歳では分からないから数多く残す。

【形質の分類】
初めは、宇野系ならなんでもよいということで交配をしたそうですが、結果は失敗に終わったそうです。そこで、宇野系を便宜上、頭(かしら)の仕上がり方、色彩の豊かさ、柄模様別に次3つに分類したそうです。

 5系統は、ときんが比較的口先に近く背幅があり、色は薄く、さびが速いが目先はある。4系統は、色はきれい、ときん頭で目先はある。3系統は、色がきれいで、頭部のときんがなく目先はきわめてある。小沢さんによると、この345の系統は東京地区の宇野系愛好者が宇野先生から種親魚としていただいたものを区別するために用いている数字だそうです。

“宇野系ならなんでもよい”…当時もうすでに宇田川氏のグループは気が付いておられたんですね。形質が消失した宇野系が数多く存在することを。

なるほど、宇野先生から頂いた種魚を便宜的に区別するために、その仔を3、4、5の系統としたわけですね。ただ何故5の系統と命名したのか、あるいは3の系統としたのかは書かれていません。数字の意味はここでは不明なんですね。多分意味があるのでしょうが。

「せめて頭だけでも種類を分けてわかってほしい。」とは宇野先生の言。

こうやって見ていくと、当時、氏は宇野先生の考えを忠実に実践されていたと推測されます。その後、新たな発見や考えを付与されながら独自の方向へと進まれたと私は考えています。

宇野先生晩年の池に小さい当歳が数多くいたという証言は、ここにリンクするわけです。先生は「年がいってエサが行き渡らないから小さくしか飼えない。」と仰っていたようですが、それは会魚しか分からない人には、そう答えていたに過ぎないのです。だってエサは当時からマス餌のはずですから、採取するようなこともないはずだったんですから。

“宇野式らんちゅう”の理念は、宇田川氏の考えを理解できれば目の前が開けてくることがこれで分かるのではないでしょうか。

 

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