« 肉瘤についての誤解 | トップページ | こんなことは論外なんです~“論外”の使用上の注意~ »

2013年1月20日 (日)

浜錦の憂鬱

なぜこれほどまでに浜錦についての情報が錯綜して誤解が多いのかを、ふんぺいなりに考察してみました。

【何故浜錦に関してこれほどまでに憶測や推測の情報が流布することになったのか?】

●浜錦の頭部は水泡でできている→間違い

●浜錦と高頭パールの区別がつかない→個体を数多く見ていくと判別可能

浜錦に対する疑問点は、この二つに集約されるのではないでしょうか。

一つ目の疑問というか誤謬の原因を分析してみると。

A)その肉瘤の形状があまりにも水泡に酷似しているという不幸。

→水泡と見紛うばかりに異様に肥大した肉瘤が、ある意味災いしたと言ってもよいのではないでしょうか。それほどまでに浜錦の肉瘤は特異なのだと思うのです。だからこそふんぺいも食指が動いたとも言えますが・・・。そうでなかったら無視していたかも。(^_^;)

B)我々は“水泡眼”という目下に水泡を擁する品種になじみが深い。

→私も誤解していたように、その形状から水泡眼の水泡が頭部に付着した個体を累代繁殖したと、普通の人なら連想してしまいます。かの桜井良平氏も誤解していた節があります。ということは命名当初から誤解が生じていたことになりますね。

C)その類推は、中国の顎の下に二つの水泡が付着した、合わせて四つの袋を擁する“四泡”なる品種が実在する関係から、頭部に二つの水泡が付着するのも“さもありなん”と思える。

→このような個体は、紛らわしくも水泡説を補強する材料になりますよね。

D)らんちゅうなどの頭部に肉瘤を擁する品種と比較すると、浜錦・高頭パールの頭部肉瘤は異質で、その膨張具合は尋常ではないため、どうしてもらんちゅうを見慣れた一般人は肉瘤とは認知できない。

→既成観念に囚われると人は目が見えなくなる典型ですね。

E)オランダシシガシラやらんちゅうなどの一部個体に見られる表面が平滑で袋状(ツルンとした)に成長する肉瘤以外、肉瘤を擁する個体の大半は、粒状(カリフラワー状)で、普段見慣れた肉瘤とあまりにもギャップがありすぎるため、実物を見ないと理解できない。

→実物を飼育しないとこればっかりは実感できないのではないでしょうか。ふんぺいは、自分で飼育してみて感じました。ショップが、水泡説やもっともらしい説明を付けて販売するのは、安易な誤認の拡大再生産していることになりますね。

1トキン型:ふくよかな袋状肉瘤

Photo龍頭タイプ:肉瘤が細かく(粒状)隆起していてかろうじて形を保っている。トキンも残存しているが、このまま代を重ねると形が崩壊するか消失する。 

Rimg0250 浜錦二つ瘤タイプ:水泡状肉瘤の典型

F)浜錦は今でも高級品種となるので、誰もが手軽に飼育することはできないし、そのために実物をおいそれとは飼えないのが誤認や誤解がはびこる一因かもしれない。

→希少価値があるがゆえに、ショップも何かともっともらしい売り口上をつけたくなるので行き過ぎた説明で売り抜けようとなってしまうのかもしれませんね。

よくホームセンターの金魚売場に、金魚本から写真を拝借してサンプルとして貼られているのを見かけますが、そこに売っている個体は決してそんな優良個体にはなりませんから。それと良く似ていますね。

以上を簡単にまとめると、浜錦に対する認識の誤謬は、水泡眼との形状の酷似からの連想、あるいは安易な短絡的な思い込みと検証不足が招いた不幸だと思うのです。

それは致命的な間違いであるのですから、正確な情報を発信する立場にあるメディア(主に月刊誌や金魚紹介本などの出版社)は啓蒙の意味を込めて、浜錦に関する認識を改め、誤解を解き、復権を計る努力をしてほしいと強く思います。

それにしてもらんちゅうと比較して、肉瘤の上がりかたが、到底考えられないほど上がるのは、明らかに遺伝形質であるので、大事にその形質の保存維持を行う仕組みを構築する必要があるのではないかと思います。

らんちゅう界においては、かつては浜錦のような平滑な袋状の肉瘤のらんちゅうが多く存在していたのにも関わらず、今では皆無です。肉瘤がどんどん萎縮して顔が崩れてしまっていることに誰が気付いているでしょう。

そんな浜錦は、さらに一見して高頭パールとの違いの判りにくさ故に、安価な中国製高頭パールに名称を利用され、浜錦そのものの存在意義すら脅かされつつあるのだと思います。

さらに少し考察を進めてみますと。

1)そもそも浜錦のプロトタイプはオールド高頭パールであるということ。高頭パールからの派生品種であることは事実。

2)輸入当時の“高頭パール”は中国金魚特有の雑多な遺伝因子を含み、今のような形質を表現しているものは稀であった。

3)高頭パールの“高頭”とは、らんちゅうで言うところの“兜巾頭”とは異質であるように感じる。むしろ“キノコ頭”と表現したくなるほど、ボリュームも質感も違って見える。高頭パールは別名“クラウンパール”とも言われる。まさに“王冠または皇冠”のような形状と言えまいか。

4)二つ瘤形質は、高頭パール特有の一形質と言えるのだろうが、高頭パールに内包された遺伝形質であったのは確実。それを抽出して固定化作業をされた先達の功績は大きい。この形質も累代繁殖によって品種として名乗るほど出現率を高めたがためである。

5)高頭パールと浜錦の胴の形質は明らかに違う。具体的に言うと、高頭パールは丸みを帯び、より珍珠鱗に近い。パール鱗の質感も違う。浜錦のほうがパールの沈着が控え目。などなど。

6)そうそう、浜錦の一つ瘤タイプの名称を考えてみました。
『大黒帽頭(だいこくぼうがしら)』
大黒様が被っている帽子って判りますよね。判らない人はネットで検索してみてください。そんな形状なんですよね。こんな表現のほうが浜錦には相応しいと思いませんか。

と色々と知ったかぶりをしても、実は多くのネタ元は以下のサイトでごわす。(^^ゞ
http://hamanisiki.exblog.jp/: 『G-kingyo』

不思議なものでこちらのブログを読み進めていくと、浜錦と高頭パールの違いが分かってくるんですよ。さて皆さんはどう感じられるのかな?

思うに、らんちゅうをやるにあたって浜錦を知っておいたほうが、違った角度かららんちゅうを見なおせると思いますよ。

いつの日か、浜錦の二重苦が解消される日が必ず来ますように!!

浜錦ふたたび

浜錦に想ふ~水泡的肉瘤~

※浜錦関連は、時系列で読んでください。思索の経緯が判ります。

|

« 肉瘤についての誤解 | トップページ | こんなことは論外なんです~“論外”の使用上の注意~ »

【7】金魚全般」カテゴリの記事

コメント

ふんぺい様 
こんにちは、お世話になります。
こういった真摯で客観的な投稿エントリは無責任な一部の販売者(店)と書籍の著者に是非読んで頂きたいものです。

当記事は非常に上手くまとめられていて、きっと他の金魚ファンの方々にも多くの賛同を得られることでしょう!(・・流石です^^v)
WEB上ではあまり見掛けることも少ない浜錦記事、浜錦ファンの一人として嬉しさと共感ひとしおです。
今後とも宜しくお願い致します。

投稿: G-kingyo | 2013年1月23日 (水) 09時23分

G-Kingyo様

こんにちは、コメントありがとうございます。
お取り込み中のところ、わざわざすみません。(^_^;)
手放しのご賛同ありがとうございます。そのようにご評価頂くと書いた甲斐があります。(^-^)

こちらこそ今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: ふんぺい | 2013年1月24日 (木) 18時28分

ふんぺい様 こんにちは。福島は寒すぎます(笑)
外のプラ舟にも厚い氷が張って割るのにひと苦労です。
浜錦の掛け合わせが『水泡眼×高頭パール』と掲載されている文献やネットでの掲載(これらの文献の引用)が多々存在するのも誤解を招く原因のひとつかと思われます。 そういえば、以前飼っていた浜錦の頭部は水泡ではなく弾力性のある物質だったことを思い出しました。
ちなみに私は『黒い浜錦』が好きで10年前にはだいぶ手元に置いていました。今は宇野系らんちゅう、出雲なんきん、日本オランダ、関東東錦(本東錦)に絞っています。 ひとつの種類をじっくり考察するのも面白いですね。また何かの機会にお願いします。

投稿: GAT-X 102 | 2013年1月25日 (金) 16時56分

GAT-X 102 さん、こんばんは。
浜錦の頭部は、そうなんです、弾力があるんです。ぽわんぽわんとした感じですよね。触っただけでは中身まで判りませんね。
私はたまたま!?殺してしまったので検証できたんですが、そうじゃなかったらあの水泡状のものが肉瘤とは到底思えません。
ところで、鈴木東も浜錦の肉瘤が導入されている割には顔が崩れて来ているように思うのは私だけでしょうか・・・・(^_^;)

投稿: ふんぺい | 2013年1月25日 (金) 20時27分

ふんぺい様 おはようございます。 そうですね。私もそのように思います。私見ですが当歳から肉瘤がしっかり形成されているからなのか早い時期から崩れてくるイメージがあります。しかしながら、他品種でも当歳から肉瘤が乗っていても崩れにくい場合もありますが…。
浜錦の血が入っている件は鈴木氏の取材をした方のブログをには確か『一度だけの導入』とあったように思われます。(間違いだったらすみません。)では、『一度だけ』と仮定して肉瘤の発達に影響のある血を一度導入しただけで末代まで血の影響(浜錦効果)はあるのでしょうか?

投稿: GAT-X 102 | 2013年1月26日 (土) 09時12分

ふんぺい様こんにちは、お世話になります。(横から失礼します)

>鈴木東も浜錦の肉瘤が導入されている割には顔が崩れて・・

鈴木東のパール鱗発生の個体はご覧になった事は御座いますでしょうか?(^^;

“崩れ”と仰る要因はそのあたりに隠されていると思います・・(@深読みして下さいませ・笑)

失礼しました。

投稿: G-kingyo | 2013年1月26日 (土) 17時39分

GAT-X 102さん、G-kingyoさんこんにちは。

まとめレスですみません。m(__)m
鈴木東のパール鱗発生個体?
失念しているのかもしれませんが、どこかに画像ありますか?
雑種何代だかの体形は浜錦で、肉瘤はなくてキャリコ色の個体は見た憶えはあるような・・・?

投稿: ふんぺい | 2013年1月31日 (木) 09時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/530767/56536771

この記事へのトラックバック一覧です: 浜錦の憂鬱:

« 肉瘤についての誤解 | トップページ | こんなことは論外なんです~“論外”の使用上の注意~ »