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2012年6月24日 (日)

浜錦に想う

肉瘤フェチとしては、頭部に大きな瘤を擁する『浜錦』なる品種は、同様に食指を伸ばしたくなる品種の一つかと思います。

しかしながら、ネットを検索してみると『浜錦』と『高頭パール』の区別が愛好家の中でも定かではなく、見分け方もなんだか迷走しているような印象です。ふんぺいとしても、どうも腑に落ちる説明に行き当たらないんですね。『高頭パール』を『浜錦』として高額で取引されているようです。

そこで、門外漢ながら同じ瘤フェチ(※ここでは“瘤(こぶ)フェチとして“肉瘤”とは言いません。)として、個人的意見を書かせてもらおうと思います。あくまで個人的見解なので浜錦愛好家の皆さんも、ムキにならないでくださいね。異論があってもどうか聞き流してください。

それではそもそも論から行きますね。

そもそも、浜錦は高頭パールから分離された育成個体で、比較的品種としては新しいようです。ですので見かけ上、類似しているのは無理もないと考えられます。

高頭パールとは、胴体は珍珠鱗で、頭部に肉瘤が発達した品種と定義しています。

浜錦は、高頭パールの繁殖の際に、頭部上方に水泡が付いた個体が出現して、それを固定した品種とのこと。

高頭パールの肉瘤部分に水泡が付いているということのようです。

上記の浜錦の定義については、長澤兵次郎氏の『金魚のすべて』昭和59年にも、桜井良平氏の『金魚の飼い方入門』昭和54年にも同様の記載があります。

“迷ったら原点に戻れ”というように、浜錦命名当初のいきさつに、より近いものを歴史的資料として尊ぶべきと思うのです。

故に、整理すると・・・・

1)浜錦は、高頭パールの変異個体であることを念頭にすると類似点が多々ある。

2)特徴を際立たせて考えると、浜錦を浜錦とする所以の特徴は、頭頂部の水泡である。

3)肉瘤と水泡の違いを明確にすれば浜錦と高頭パールの違いは歴然とするはず。

4)体形や色の違いは考慮にいれる必要はないのでは?なぜなら固定初期よりの変遷で変化してきた部分を相違点とすると、浜錦の特徴がぼやけてしまうから。

Img
浜錦 『金魚の飼い方入門』桜井良平著126ページ
作出者の渡辺茂夫氏の撮影なので正真正銘の浜錦と考えられるが画像が不鮮明

Img_0001
水泡頭 『金魚の飼い方入門』85ページ
右下の図は浜錦をイメージしているものと思われる。肉瘤と水泡の違いが判る

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同上『金魚の飼い方入門』の巻頭に収録されている浜錦の画像
肉瘤ではなく水泡だと見受けられる

Img_0003
『金魚のすべて』長澤兵次郎著より
ぷっくりと頭頂部に半透明な袋状の水泡らしき物体として確認できる

さて、ここからが本題。

どうもその頭頂部の“瘤”の質が問題になってくるんですよね。

『肉瘤』とは、皮膚が肥厚したもので、中身はタンパク質であるところのコラーゲン状物質なんですね。そして粒状になりやすく表面は凹凸になるのが一般的で、おまんじゅうのように表面が平滑なビロードのようになる個体もありますが極めて稀少です。

『水泡』はどうでしょう。『水泡』は水泡眼のように袋状で中身は液状のリンパ液が封入されていると言われています。この場合、見た目は平滑でビロード状のはずです。

かたや、皮膚の肥厚で、一方は袋状なんですね。明らかに違うはずです。でもあまり我々のように肉瘤フェチで多くの個体を見てこなかったら、一見するとその見分けがつかないかもしれません。

また、水泡眼が目下に水泡が発達するのと比較して、浜錦は目の上に発達する品種と考えたらどうでしょうか。水泡は金魚において、結構頻繁に表れる現象だと思われます。らんちゅうでも目や口の周辺に水泡が表れる場合があります。

因みに我々宇野らんちゅうの目指す肉瘤の方向は、その極めて稀少なおまんじゅうのようなビロード状の肉瘤なんですけどね。だから見慣れない人よりは見分けられるんじゃないかと思うんです。

どこかで見たんですが、輸送途上で瘤が取れて浮いていたとか。水泡状なら萎んでしまいますが、取れても塊として浮遊しているのであれば、その時点で私は浜錦ではなく、高頭パールだったんだと考えた方が良いのではと思います。

動画でも拝見したんですが、大きくプルプルしているんで、あれは水泡と考えた方が良いように思いました。他の個体で少しだけ頭頂部が膨隆している個体もありましたが、こちらはどちらとも言えないと思いますし、これを浜錦と判断するのには無理がありそうに見えました。

肉瘤だったら浜錦の優良個体のように、あんなに大きくなることはありませんし、肉瘤が素晴らしいと言われる宇野らんちゅうでも、かたやオランダシシガシラでも、あのような盛り上がりに育成することは、到底出来ないと言いきってもよいように思うんです。

ですからまだ成長過程である個体で浜錦と判別するのは無理があるので、親魚で完成された頭部で認定するべきと思うんですよね。

従って浜錦とは、当歳、二歳での楽しみ方より、親魚での楽しみ方が主流の金魚ではないでしょうか。成長過程では袋の成長もまだまだ未熟のはずですからあまり魅力がないように思いますが、いかがでしょうか。

浜錦はこうやって考えてみると、本当に稀有の品種なんでしょうね。

ですので“頭頂部の水泡”が浜錦の特徴であるとすれば、混乱は回避できます。水泡が大きくならない個体は、高頭パールと誤認しやすいので淘汰の対象とすべきで、親魚のみ浜錦と認定すれば良いのでは?

浜錦の優良系統を入手する場合は(これはどの品種でも鉄則ですが)、信頼出来る愛好家やショップからとすべきでしょうね。名前だけで当歳の浜錦を入手するのはリスクがありますね。ネットで宇野らんちゅうを買うのと一緒です。

肉瘤フェチとして、品種の特徴から考察するとどうなるかを浜錦に当てはめてみました。まあ、一介のらんちゅう愛好家の独り言と解釈してくださったら幸いです。

品種の特徴を突き詰める方法は、我々のらんちゅうの特徴を考察するのと一緒なわけです。逆にらんちゅうとは?と考える時のヒントになりませんか?

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【7】金魚全般」カテゴリの記事

コメント

ふんぺいさん、こんばんは。

金魚伝承の2002年2月10日発行の本に浜錦の頭部は肉瘤で、水泡眼の袋の中のように液体ではないと書いていました。
1回しか買った事のない本です。創刊号です。
10年前から写真もごちゃごちゃに写っていて、3歳になって膨らむ物もあると書いていました。
1996年の本はパール鱗ではないですが、立派な袋の浜錦でした。
10年前にすでに本でごっちゃになっていたのですね。
中国からの輸入と混ざって、売った物勝ちなのかも知れないですね。

投稿: 星の王子 | 2012年6月26日 (火) 22時10分

こんばんは、星の王子さん。
良い情報をありがとうございました。
詳しくは記事をアップしますので見てください。

投稿: ふんぺい | 2012年6月28日 (木) 20時37分

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