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2010年7月 7日 (水)

塩の効用

病気の季節。お宅の魚君たちの調子はいかがですか?

折に触れて何度も病気については書いてますが、もう一度考え方を書いておきます。

なぜこの時期、病気になりやすいか。
         ↓
①湿度が高いから。
②日照が少ないから。
③雨が降り込んで雑菌(常在菌以外が増えバランスが崩れる)が繁殖するから。
         ↓
湿度が高いと、微生物(細菌・カビ・寄生虫)が繁殖しやすい。さらに日照が少ないと植物性プランクトン(青水)の消長が激しく、水が出来にくく、異常繁殖した常在菌が一挙に悪玉菌になってしまい、魚の調子が崩れる。

ざっと仕組みはこんなものだと思います。※外で飼育する場合ですよ。

入門者の方はもちろん、ベテランでもこの時期、必ずといって良いほど病気にさせてしまいます。

大抵、発見が遅くなった場合は、殺してしまうことが多いですよね。魚を真剣に見ていると調子は判るものなんですが・・・。エサやりと水換えの時が絶好のチャンスです。普段は絶えずエサを求めて魚は動いているものです。動いていなければおかしいと思った方が良いです。

ところで、“塩を入れて治療する”って本やネットには載ってますが何故塩を入れるかご存知ですか?

殺菌作用??ちょっと待ってください。濃厚食塩浴(5パーセントなど)なら判りますが0.4パーセントや0.5パーセントの塩浴って果たして殺菌になってるでしょうか?

100リットルの水槽に500グラムの塩を入れると、0.5パーセントの塩水になりますよね。そこに魚を入れっぱなしにするんです。これが永久塩浴。

濃厚塩浴の場合は、魚を入れるとヌメリ(粘液)が白くなって浮いてきます。そのまま放置すると死んでしまいます。ヌメリを取って雑菌をヌメリごとはぎ取るという荒療治で一か八かの療法なんですが、普通はやりません。これは殺菌と考えて良いでしょうが、0.5パーセントでは殺菌と言えるかはなはだ疑問です。

殺菌とは?

細菌といえども生物です。細胞があります。細胞は細胞壁で外界とは区切られており、塩を使用するのは、浸透圧によって細胞内の水分を減らして死滅させるわけです。殺菌と言えばアルコール類。細胞はアルコール類に触れてタンパク質が凝固して死滅するんですね。仕組みを考えるとなんだか判ってきますよね。

ということは、0.5パーセントぐらいの塩分では殺菌作用は微々たるものと考えた方が良いと思うのです。

生物は、微生物と共生しているということを忘れてはいけません。皮膚表面には常在菌がわんさかいるんですよね。ただ見えないだけでそれこそウヨウヨ。そして微生物は我々を未知の細菌より守ってくれているんですよね(@福岡伸一)。その常在菌も取り除くってことはリスクが高すぎやしませんか?

じゃ、なぜ塩で魚は治るのか?

塩分濃度は・・・・・

①魚体内  >水中  → 絶えず体内の水分は水中へ→体力消耗!!

②一旦病気になると、内臓器官が弱り濃度調節が出来なくなる→ほっとけば死に至る

そこで!

③水中の塩分濃度を上げてやる(浸透圧をイコールに近づける)

魚体内  ≒ 水中  → 体液が水中に出ない→体力が落ちない手助けになる
※水が濁って臭くなるのは体液が水中に出ている証拠

要は絶対安静の環境を整えてあげる。(人が出来るのはココまで!)

あとは魚の自然治癒力を待つのみ。

同時に水温を上げるのは何故か?

魚は変温動物。水温が低ければ代謝量は減る。魚が最大限に新陳代謝と治癒力を発揮できる状態とは高温にすればよい。免疫力を発揮させるためには水温の上昇が必要なんですね。

エラ病で横倒しの魚を治したりすると気が付くんですけど、殺菌して薬で治すみたいな考えを持ち続ける人は、いつまで経っても殺し屋を返上できませんよ。

薬で治そうなんて傲慢な考えは捨てたほうがいい!!

以上のこと納得できたら、小さい稚魚であっても助けられる確率は格段に上がると思いますよ。

悩んでいる人、何かヒントになればよいのですが・・・・(^_^;)

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コメント

うーん。納得。
塩水はどのくらいで水替えしたらいいですか?飼う環境でも違うと思いますが。
全部水替?一部?
餌は?前に病気の時に餌を抜いてたら、やせてきてちょっと与えたら、ちょっと元気になりました。絶食というのも全てには当てはまらないのかな?と思ったんですが。

投稿: らんらん | 2010年7月 8日 (木) 09時31分

らんらんさん、おはようございます。

塩水は濁ってきたらって言ったら良いのでしょうか。大体最初は2.3日で換えます。

全換水が基本です。病気の時は割り水はしません。

エサは基本はやらないことになっています。その理由は、水が汚れるのを嫌うため。それと、安静にするべきなのに内臓に負担をかけないため。

私は、エサを場合によったらあげます。あげて魚が食べに来るかを見ます。食べに来なかったらまだ早いということでエサを引き上げます。これで魚の調子が判りますよ。

投稿: ふんぺい | 2010年7月10日 (土) 05時18分

0.5パーセントぐらいの塩濃度は、殺菌目的ではありません。 金魚の体の粘膜などの代謝を良くして自己免疫力で回復させるのを早くさせるのが狙いです。慣れている人は、殺菌目的で高濃度の短時間塩浴をさせることもあります。この場合は、金魚の病気の本当に初期症状で、毎日何度も観察している人が、すぐに金魚に異変に気が付いての治療の時につかう方法です。
私がお勧めする方法は、前に居た水槽と同じ温度に設定したカルキ抜き水道水にエアーとサーモスタットで温度を一定にして0.5パーセントの塩浴〈10リットルの水で50グラムの塩)にトロピカルゴールドを規定量入れて治療する方法です。
どんな治療にしても、鱗が逆立つぐらいの症状がでると、これは殆ど治らないものと思ったほうがイイです。転覆病もそうですけど、これらの病気は1日や2日で発症したものではなく、何日かの病気を経ての末期症状だと思ったほうがイイです。末期の病気を治すのは非常に困難ですから、初期の内に治療をしないとダメです。金魚は、必ず調子を少しでも崩すといつもと違う様子を見せます。仲間から外れて過ごす、底をつついて始終エサ探しをしていたのがしなくなる。鰓の片方が動かなくなるなど。そういう初期症状のうちに断食をさせて水を100パーセント替え、塩浴0.5パーセントぐらいでも自己免疫力で効果を出すんです。

投稿: とおりすがり | 2015年7月31日 (金) 09時11分

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