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2009年7月

2009年7月31日 (金)

長手と短手(丸手)の考察

宇野先生は、「魚が長くなっている、短くしないといけない」ということを仰っていました。この言葉をどう解釈するかで魚が変わってくるとふんぺいは思っています。ここでは主に短手(丸手)を考察してみたいと思います。

どの時点のどの魚を見てそう仰ったのか・・・・これは今では検証が出来ないことだと思うんです。(ま、少なくとも昭和40年から50年に掛けてのお言葉だとは思いますが)

魚の長い、短いはどこで決まるか?
厳密に言うと短手と丸手は違うと思うんですね。以下で説明しますけど。

それは、背骨(脊椎骨)の一つ一つの節の長さで決まると思います。らんちゅうではその脊椎骨の数は22~23個、琉金で20個ぐらいだそうです。若干品種によって違うようですが、いずれにせよ個体的な差異はあまりないと思います。

すると、らんちゅうの場合、脊椎骨の数がほぼ同数と仮定すると、魚を短くするには・・・

①脊椎骨の数を減らす(短手)
   22個→18個ぐらいに減らす 突然変異なので出現頻度は低いでしょう

②脊椎骨の一つ一つの長さを短くする(短手)
   ①よりこちらがオーソドックスなんだと思う

③脊椎骨を湾曲させる(丸手)

①と②は外見では判断できません。少なくとも判定は出来ないですね。③は見た目で判るので主に淘汰、掛け合わせの段階で行われていることですね。要するに大多数が③にあたると思われます。あとは生体であればレントゲン写真で判断する以外は方法はありません。
①と②と③を意識して選抜されていることはほぼないでしょうから①~③は混同されているということです。

ここで最も注意しないといけないことは、特に③の「脊椎骨を湾曲させる」ということはデメリットもあるということです。物理的に体の前後から圧力をかけると上方に湾曲させなければ収まらないわけですから、必然的に背が高くなってしまいます。丸手は結果として背が高くなるとなれば、宇野先生の仰る「背を低くする」とは逆方向の改良となってしまうんですね。

どこで折り合いを付ければ良いのか、悩ましいばかりです。

一つ例を出しましょう。
それはオランダシシガシラです。オランダシシガシラの在来種は長手のものだったんですね。10年ほど前には飼育人口が減ってしまい細々とその長手は飼育されていました。何回かこのブログでご紹介したオランダは長手なんですよね。短手というか丸手が、飼育環境の変化(水槽飼育が主流になった)に伴い、弥富にて改良されたものなんですが、もうどこを探しても丸手のオランダしか居ない状況だったということをご存知の方も多いかと思います。

長手のオランダにもう一度注目しようよって趣旨で始めたのが「おらんだ通信」だったんですが、その甲斐あってかピーシーズでも取り上げられ復権を果たすことが出来たといういきさつがあったんです。ま、これは余談ですが。

丸手のオランダ(弥富型)を観察してみてください。背骨が湾曲してますよ。そのような個体を選抜していったんですね。ここのキモは、上から鑑賞することを捨てて、横から鑑賞することを前提に改良された品種だということ。つまり上から見るとバランスが悪いんですよ。面白みに欠けるんです。泳ぎにも支障をきたし転覆する個体を数多く見ますね。

何が言いたいかというと、上から見るという鑑賞方法が厳然とある限りにおいては丸手オランダは好適品種ではないということなんですね。

話しを元に戻しますが、ならばらんちゅうはどうか?
らんちゅうは、従来からの上見の鑑賞方法を取っています。宇野先生が仰っていたことをどう解釈していくかは難しい問題も孕んでいますが、丸手、短手はアンバランスになりやすいということだけをここでは指摘したいと思います。

最後に、丸手の簡単な見分け方だけ言いますと、魚を横にして側線を見てみてください。普通は水平に一直線ですが、丸手は大きく波打っているはずです。それは背骨に沿って側線があるのですから背骨が湾曲している証拠なんですね。つまり背が高く腰折れが深いということを意味しているんですね。それからもうひとつ、腹の部分も当然長手に比較して短いわけですから、内臓の納まる容積が少なくなっているので横方向か縦方向に張り出さざるをえないってことになります。つまり背巾より腹巾が出るか、腹が垂れ下がりやすいってことです。(短手も一緒ですね)

それだけ短手は難しいってことなんだと思うんですね。背巾と腹巾の加減と背の低さ。折り合いをつけるのは本当に難しいですね。二律背反する条件をいかにクリアするか・・・そこがらんちゅうの醍醐味でもある??

Dsc_4515_2
※本文と画像は関係ありません(7月31日撮影)

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2009年7月30日 (木)

天気とにらめっこ

夜中にザーっと来たり天候不順もいい加減にしてほしいですね。

Dsc_4499

しつこく追っている1尾はこんな感じです。背巾が・・・・・(^^;)
だから言ったじゃないのって?
でもね、まだまだわかんないです。今のこの時点では何も判断できないし、飼い主が気になっている個体はそのまま様子を見るに越したことはありません。

Dsc_4479
7月初旬はこんな感じだったんですよねえ~

Dsc_4505
で、未だにこんなのがうじゃうじゃいますです~
全然選別してないの図

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2009年7月24日 (金)

犬のお話

犬を二匹飼っています。

一匹は雑種。もう一匹は柴犬。

雑種って用語はあんまり良い響きじゃないのでこの頃は、ミックスとかハイブリッドなんて言われていますね。体のいい言い換えのような気がします。日本語は積年の言葉の意味に沢山のニュアンスや意味合いが張り付いているので用語の選び方が難しいですね。

厳密に用語を規定することは、前から言ってますように大変重要なんだと思うんですね。だから物を書いて表現する場合はものすごく注意が必要だと思っています。

脱線しましたが、子犬を貰ってきたとき思ったんですが、足ががっしりしている犬は大きくなるって言いますよね。その子犬、胴体に比較して明らかに足が立派でアンバランスだったんです。どうみてもこのまま大きくなったらヤだなあって感じだったんですね。

ところが成犬になったら、胴体が追いついてきて丁度良くなりました。で、ひとりそういうことなんだあって納得したんですね。

そこでいつものことで、らんちゅうに引き寄せて考えちゃうんですが、成長過程でのバランスや印象で選別をするのは控えたほうが良いのではないか?ある人はそれがその愛好家の癖になって魚の出来が変わると言いますよね。選別をした時点でバイアスが掛かるってことをもっと意識しないと駄目なんだと思う今日この頃です。

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2009年7月22日 (水)

頼むし梅雨明けて~

昨晩の雨で水が入れ替わってたりするんですよね。
それをそのまま放置しておくと今調子が良くても明日ぐらいに
ボーっとしたりするんです。

本日朝から水換えしてます~

Dsc_4490
例の仔はこんなになって来ました~

Dsc_4495
で上の仔は50リットルの舟でこんな具合で飼ってます。
15尾ぐらいですかねえ。
これぐらい大きくするとエラになってもほとんど治ります。

しか~し!

Dsc_4494
これぐらいだと駄目ですよ。すっごく神経と管理技術が問われます。

で日蝕だそうで、曇りなんでテレビで中継見ようっと。

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2009年7月16日 (木)

梅雨明けはまだ?

関東地方は早くも梅雨明けしたそうですね。

関西もそろそろか?今日ぐらいからセミが鳴き出しています。

ここ二三日の晴天でやっとエラも終結しそうです。

2_2 

相変わらず池は満杯状態。
こういう蒸し暑い時に限ってエアホースが抜けていたりするんですよね~
皆さん気をつけてください。。。

3

この前アップした黒仔も色が出てきました。素赤ですねえ~

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2009年7月15日 (水)

アカデミズム傍流の大家

『唯我独創の国から』 西日本新聞社文化部編 みずのわ出版 に松井佳一博士のことが掲載されているのを発見しました。

帯を見ると「近代日本の原風景をたずねて」と副題があります。

新聞に連載された記事を集めたものですが、今を生きる人々にしてみればトンデモな人を集めた「兵どもの夢のあと」よろしく、何か読んでいて懐かしくも切ない書物です。

その中に「アカデミズム傍流の大家」と題して松井博士が数頁掲載されています。

今にして思えばまさにアカデミズム傍流。金魚はメンデルの法則が再発見され、いち早く遺伝子解析の表舞台に登場し、そしてショウジョウバエ他のより御しやすい生物にその座を奪われていった。

私たちは、その時代の熱を僅かも感じることが出来ないほど遠くに来てしまったのか。

それで良いのか・・・・とこの書物は語りかけてくるようでした。

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2009年7月 7日 (火)

やっぱりエラになるなあ

今日は七夕。

やっぱりなんぼ管理していてもエラになります。(泣)

以前、野木一男氏とお話ししたとき、当歳時にはエラになるのは何故か?という話題になりました。

稚魚が孵化して一ヶ月から一ヶ月半ほどすると親から受け継いだ免疫力が無効になってエラに罹りやすいというお話しでした。ベテランの方も実感されているんですね。

もっとも、その主に細菌感染だと思われますが、エラに罹らずに成長も可能なんでしょうが、いずれ鰓病には感染する機会があり、遅ければ遅いほど重篤度は増すってことになるようです。

それを「はしか鰓病」と命名したんですが、一度免疫力が付けばその後のエラもすんなり治るってあるのでしょうね。無理やりかける必要性があるかは不明ですが、そんなメカニズムを知っているとその後の飼育に役立つんじゃないでしょうか。

人間の幼児を考えてみてください。しょっちゅう風邪や病気に罹ってますよね。大人になったら罹らないような病気。

さて、青仔二尾を掲載します。

1

ピックアップして大きく会用飼育をしている池の仔です。尾は全然ですが、なんか面白い仔なんで撮影してみました。頭骨の巾があって目の付き方が変わってます。背も抑えて筒元もしっかりしていて、どんなふうになるんかなあって楽しみな個体だと思うんですが・・・青水で飼っていたんで少し血走ってます。

2

同腹の仔です。黒仔大関ですねえ~

当歳は、見る日によって違う表情を見せるので成長の過程と思ってあんまり期待しちゃ駄目です。

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2009年7月 6日 (月)

肉瘤考ノート ~補遣~

『肉瘤考』以後、新しい資料などで判ったことを少し書いておきます。

1.肉瘤は、「脂肪である」というのは俗説。

組成組織は、主に蛋白質であり、皮膚が肥厚したもの。皮膚の肥厚に関しては松井博士の文献より周知でしたが、新規論文(最近)で松井博士の業績を引き継ぐ形で発表されています。もう少し詳しく言うとコラーゲン繊維とのこと。

従って、脂肪分の多い餌を与えることによって肉瘤の膨隆を促すことは、科学的には考え難いと思われます。

2.肉瘤増強と甲状腺あるいは甲状腺ホルモンとの関係

松井博士の肉瘤に関する英文の論文に当たってみましたが、博士は肉瘤増強と甲状腺の直接的な関係を示唆された形跡はありませんでした。

一般に、甲状腺ホルモンは成長を促すホルモン分泌であって、直接的な肉瘤との因果関係があるとは思えません。

要するに、健康的な飼育を心がければその個体の資質が発現しやすいということと解釈します。

3.松井博士の英文論文の要旨は、

肉瘤は遺伝的なものである。
       ↓
しかしながら飼育方法、餌料によって発現の仕方が異なる。
つまり幾分かの技術的介入は有りえるということ。

でも、所詮技術なのですから限界があるということ。
      
と述べられているようです。

新規論文においても、松井博士が結論付けた内容を大きく変更する所見は見当たりませんでした。ということは、昭和初期の論文から金魚の科学的な研究はなされていないとも言えますね。

肉瘤組織が脂肪なら脂肪分たっぷりの餌を与えれば出るみたいな素人考えになるんだと思うんですが、胴体は脂肪で膨らますことは出来たとしても肉瘤は出ないってことですね。じゃ、プロテインを与えるか??

ならばどうするか?
肉瘤の発現する遺伝形質を持っている親を選抜して意識的に残すこと。。。。
ってことなんでしょうねえ。

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