長手と短手(丸手)の考察
宇野先生は、「魚が長くなっている、短くしないといけない」ということを仰っていました。この言葉をどう解釈するかで魚が変わってくるとふんぺいは思っています。ここでは主に短手(丸手)を考察してみたいと思います。
どの時点のどの魚を見てそう仰ったのか・・・・これは今では検証が出来ないことだと思うんです。(ま、少なくとも昭和40年から50年に掛けてのお言葉だとは思いますが)
魚の長い、短いはどこで決まるか?
厳密に言うと短手と丸手は違うと思うんですね。以下で説明しますけど。
それは、背骨(脊椎骨)の一つ一つの節の長さで決まると思います。らんちゅうではその脊椎骨の数は22~23個、琉金で20個ぐらいだそうです。若干品種によって違うようですが、いずれにせよ個体的な差異はあまりないと思います。
すると、らんちゅうの場合、脊椎骨の数がほぼ同数と仮定すると、魚を短くするには・・・
①脊椎骨の数を減らす(短手)
22個→18個ぐらいに減らす 突然変異なので出現頻度は低いでしょう
②脊椎骨の一つ一つの長さを短くする(短手)
①よりこちらがオーソドックスなんだと思う
③脊椎骨を湾曲させる(丸手)
①と②は外見では判断できません。少なくとも判定は出来ないですね。③は見た目で判るので主に淘汰、掛け合わせの段階で行われていることですね。要するに大多数が③にあたると思われます。あとは生体であればレントゲン写真で判断する以外は方法はありません。
①と②と③を意識して選抜されていることはほぼないでしょうから①~③は混同されているということです。
ここで最も注意しないといけないことは、特に③の「脊椎骨を湾曲させる」ということはデメリットもあるということです。物理的に体の前後から圧力をかけると上方に湾曲させなければ収まらないわけですから、必然的に背が高くなってしまいます。丸手は結果として背が高くなるとなれば、宇野先生の仰る「背を低くする」とは逆方向の改良となってしまうんですね。
どこで折り合いを付ければ良いのか、悩ましいばかりです。
一つ例を出しましょう。
それはオランダシシガシラです。オランダシシガシラの在来種は長手のものだったんですね。10年ほど前には飼育人口が減ってしまい細々とその長手は飼育されていました。何回かこのブログでご紹介したオランダは長手なんですよね。短手というか丸手が、飼育環境の変化(水槽飼育が主流になった)に伴い、弥富にて改良されたものなんですが、もうどこを探しても丸手のオランダしか居ない状況だったということをご存知の方も多いかと思います。
長手のオランダにもう一度注目しようよって趣旨で始めたのが「おらんだ通信」だったんですが、その甲斐あってかピーシーズでも取り上げられ復権を果たすことが出来たといういきさつがあったんです。ま、これは余談ですが。
丸手のオランダ(弥富型)を観察してみてください。背骨が湾曲してますよ。そのような個体を選抜していったんですね。ここのキモは、上から鑑賞することを捨てて、横から鑑賞することを前提に改良された品種だということ。つまり上から見るとバランスが悪いんですよ。面白みに欠けるんです。泳ぎにも支障をきたし転覆する個体を数多く見ますね。
何が言いたいかというと、上から見るという鑑賞方法が厳然とある限りにおいては丸手オランダは好適品種ではないということなんですね。
話しを元に戻しますが、ならばらんちゅうはどうか?
らんちゅうは、従来からの上見の鑑賞方法を取っています。宇野先生が仰っていたことをどう解釈していくかは難しい問題も孕んでいますが、丸手、短手はアンバランスになりやすいということだけをここでは指摘したいと思います。
最後に、丸手の簡単な見分け方だけ言いますと、魚を横にして側線を見てみてください。普通は水平に一直線ですが、丸手は大きく波打っているはずです。それは背骨に沿って側線があるのですから背骨が湾曲している証拠なんですね。つまり背が高く腰折れが深いということを意味しているんですね。それからもうひとつ、腹の部分も当然長手に比較して短いわけですから、内臓の納まる容積が少なくなっているので横方向か縦方向に張り出さざるをえないってことになります。つまり背巾より腹巾が出るか、腹が垂れ下がりやすいってことです。(短手も一緒ですね)
それだけ短手は難しいってことなんだと思うんですね。背巾と腹巾の加減と背の低さ。折り合いをつけるのは本当に難しいですね。二律背反する条件をいかにクリアするか・・・そこがらんちゅうの醍醐味でもある??
※本文と画像は関係ありません(7月31日撮影)
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